人事制度、給与・退職金制度、デキる人材の採用・育成(戦力化)・定着を三位一体でサポート!
大阪人事コンサルティングセンター
運営)児島労務・法務事務所
大阪市住吉区住吉2−5−28
(南海本線・住吉大社駅、南海高野線・住吉東駅から双方とも徒歩7分)
*オンライン(Zoom)の活用で全国対応も可能です。
自社に合う『等級制度』の選択が成功への第一歩!!
等級制度とは?
社員を能力、役割、職務等の一定の判断基準で序列付けを行う制度のことです。
この等級制度というのは人事制度を構築する上で骨組みとなる部分で、『評価項目(コンピテンシー)』や『目標管理シート』などより先にこの等級制度をまず議論しなければならないということになります。誤った等級制度を選定してしまうと、『評価』『処遇への反映(報酬)』『育成』のどれもが機能しない人事制度となってしまいます。
『骨組み』となる等級制度が『処遇への反映(報酬)』『評価制度』と有機的につながることによって、人事制度が社員の育成ツールとして効果的に機能します。しっかりと自社に合う制度を吟味したうえで構築していきたいですよね。
では以下に現在の日本企業の人事評価制度において、よく取り入れられている等級制度の特徴とメリット、デメリットやどんな企業に合うかということを解説していきます。
等級制度にはどのようなものがあるのか?
現行日本国内で導入されているメジャーな等級制度として以下の3つがその代表選手として挙げられます。
1.職能等級制度
日本の伝統的な等級制度で、社員の『職能=保有能力』をベースに序列付けるやり方です。中小企業等の規模の小さな事業単位であっても、12~14等級くらいに細分化された資格階層を持つ例が多いです。長期にわたる社内調査を経て社員の「職能要件書」を整備し、それに基づき社員の序列を決めていく制度になります。
従来から等級制度の主流に位置し、オーソドックに採用されている方法です。その一方でその時点での保有能力により序列付けられることと、階層が細分化することで、制度運用がどうしても『年功序列的』な運用となってしまう欠点も指摘されています。また、マーケットの変化が激しく、企業がビジネス情勢のスピードアップに対応することを求められる現代においては、『職能=保有能力』と与えられる役割にどうしてもギャップが出てきます。その対策としては現状細分化された等級を6-8等級程度に大括りとし、役割と能力がある程度整合性が取れるように見直していくのも一つの方法です
2.役割等級制度
社内の役割を明確に定義し、その役割をベースに社員の序列付けを行います。前述の『職能等級制度』に比べ階層がおおくくりになるのが特徴です。役割と役割と給与が合理的にマッチし、多能工化の促進にも向いています。どんな業種、職種にも柔軟に対応する万能選手です。
3.職務等級制度
社内の職務を調べ上げ、その職務に序列をつけていくやり方です。近年はジョブ型賃金制度の考え方がブームとなっており、それに相まってこの『職務等級制度』が脚光を浴びています。ただし、職務が変更するたびに基準書を変更しなければならないので、導入後のメンテナンスは非常に大変になります。スペシャリストの早期育成や専門性を重視する企業、職種別に業務内容が固定している企業にはしっくりくる半面、転勤やジョブローテーション等が育成手段として確立している企業には不向きといえるでしょう。
各等級制度の特徴、メリット、デメリットをまとめると以下の表のようになります。
特徴 | 長所 | 短所 | どんな企業・法人(職種・業種)に向いているか | |
職能等級制度 | ・伝統的な日本型経営方式 ・中小企業でも12等級程度の資格階層制度を持つ例が多い ・長期の社内調査を経て、職能要件書の整備が必要 | ・人事異動、職務変化に柔軟に対応できる。 ・資格重視でポスト不足に対応できる ・ゼネラリスト育成に適する ・社員にとっては安心感あり | ・等級と職務内容にズレが生じやすい ・年功的運用に陥りやすい ・給与と成果のミスマッチ(例:中堅層への過小払い等) ・社員が保守的、事なかれ主義に陥り、難易度の高い業務にチャレンジしなくなる。 | ・転勤やジョブローテーションが社員の育成手段として定着している企業 |
役割等級制度 | ・『職能資格制度』に比べて階層がおおくくりになる ・社内における『役割』を明確に定義する | ・役割と給与がマッチし合理的 ・役割の拡大や変更等で変化にも柔軟に対応できる ・役割評価が比較的容易 ・多能工化が可能 | ・役割等級の信頼性の確保が必要 ・役割の設定や拡大を好まない社員には不利になる | ・どんな業種、職種にも柔軟にマッチする (特に中堅、中小企業) |
職務等級制度 | ・社内の職務を調べ上げて、その職務に序列をつけていくやり方 ・職務が変更するたびに基準書をメンテナンスする必要あり。 | ・仕事と給与がマッチし合理的 ・スペシャリスト育成には効果的 | ・社内人事異動は理論上はできない(ヒトをコロコロ動かせない) ・メンテナンスが非常に大変 ・職務が変わらないと給与が上がらない(空きポストがなければ昇格・昇給できない) ・職務で評価されるので、“隙間業務”を誰もやらなくなる ・若年層の雇用率が下がる(ポストで管理するため、未経験者より経験者が集まるため)
| ・スペシャリストの早期育成や専門性を重視する企業・法人 ・職種別に業務内容が固定している企業・法人 |
人事制度の目的に沿い、骨組み(等級制度)を決めよう!
そもそも御社が人事評価制度を導入する目的とは、何なのか?導入によりどのような効果を期待しているのか?その辺りをしっかりと吟味したうえで、等級制度を選定していく必要があると考えます。
上記でも申し上げましたように、等級制度は人事評価制度の中でも、その骨組みの部分ですので、最初の骨組みでその目的達成にふさわしいものを選ばなければ、完成した人事評価制度自体が本来の目的に沿わず、機能不全になってしまうことになってしまいます。
人事評価制度を導入(改訂)する目的は?
・公正公平な評価制度、処遇制度を敷いて従業員のモチベーションを上げる。
・従業員を育成する。(育成対象は?幹部候補or専門職)
・会社が求める行動規範をしっかり作りこみ、業績アップに繋げていく
・多能工化の実現
・ハイパフォーマーがしっかり定着し、ローパフォーマーが居づらくなる風土の形成
・会社の現在の組織・規模・成長段階や世の中の情勢に合わせた体制へのリフォーム(手直し) etc.
人事評価制度導入によって期待する効果も様々でしょう。人事評価制度によってどういう効果を狙うかによっても、“設計の骨組み=選定する等級制度”に影響を与えます。一概に育成が目的といっても若手社員をリーダー、さらには幹部と段階的に育てていくのと、専門職、スペシャリストとしてその道のプロ、職人として徹底的に磨き上げるのとでは、等級制度の選定基準も異なるわけです。
ただし、どの等級制度を選ぶにしろ、その根底にあるのは『能力』『役割』『職務』のいずれかの要件で従業員を格付けするという考え方です。よって、能力をベースにするにしろ、役割をベースにするにしろ、しっかりと従業員に現状のポジションや成長段階を可視化できなければ、『育成』というツール・手段としては全く機能しないということになります。
育成という点で考えるのであれば、今後、どういう能力を身に着ければよいのか、どういうような役割を果たすようになれば、自分の社内のポジションが上がり、今より高い給与が得られるようになるのかということをしっかりと従業員に可視化し、彼らに素敵な未来を描かせ、やる気を持って仕事に取り組んでもらう必要があるということになります。
成長のマイルストーン(目標の目印)としての『等級制度』
当事務所が等級制度選定で重視することは、従業員の成長過程が可視化でき、さらなる高みに向かってモチベーションを保てる、つまりやる気を持って仕事に取り組める環境を作り出すための等級制度であるべきであると考えています。
そういった意味で、経験上、初めて人事制度導入を検討される中小企業様(中堅・中小の医療機関様、法人様含む)には、能力の成長段階または役割による格付けが明確な、職能等級制度もしくは役割等級制度の導入が初めての運用には適すると思います。
(*ただし、当初から短期間でのスペシャリスト育成の命題を持った企業様には、職務等級制度の方がフィットするケースもございますので、その辺りは柔軟に対応致します。)
会社の規模拡大や世の中の情勢が理由で今運用している人事評価制度をリフォームを検討の際は現状の等級制度を存続させるのか、あるいは別の等級制度を用いた方がよいのかをお客様の状況やご希望をヒアリングしたうえで、『職能等級』『役割等級』『職務等級』の中でどの等級制度がふさわしいのかを選定させていただきます。
当事務所では、人事評価制度を初めて導入される企業様、現行制度のバージョンアップ(リフォーム)をご希望される企業様の双方にしっかりと状況をヒアリングしたうえで、その企業様にふさわしい等級制度の導入選定をお手伝いさせていただきます。
当事務所の人事評価制度の設計・導入サービスのご紹介です。等級制度・評価制度・給与制度が有機的にリンクし、従業員のモチベーションアップ⇒業績のアップにしっかり繋がります。
今の人事評価制度がうまく機能しないとお考えの経営者の皆様、その原因は究明されてますか?当事務所では今の制度のいい所を活かした上で、ミスマッチの箇所の部分リフォームも承ります。