ホワイトカラー職・事務系業務の生産性向上手法

ホワイトカラー職、事務系業務の生産性を阻害する要因とは?

こちらのメニューでご紹介する手法は、知的生産性向上システム(IIPS:Intelligence Improve Productivity System)といい、知的作業や事務系作業等いわゆるホワイトカラー職種向けの生産性向上、残業の減らし方のメソッドです。

従って、工場のライン作業員や店頭販売員等の職種には比較的効果が出にくいと思われます。その一方で本社における管理部門(人事・総務・経理職)や営業職の中でも自分でタイムマネージメントを行うことが前提の企画営業種、製造業においては商品開発職やR&D(研究開発職)、デナイナーなどのクリエイティブ職ではこの手法の効果を充分に実感することができます。

 この知的生産性向上システム(IIPS)は知的作業職の生産性向上手法として以前から非常に評価が高い“DIPS法”という手法を今の現代の労働情勢、職場環境に適合するように修正、応用した手法になります。

 この手法を取り入れれば、個々の従業員の能力が急にアップしたかのように、仕事の能率が向上します。やがて個人レベルからチーム全体へとこのメソッドが浸透すると、生産性向上の度合いがさらに飛躍的に高まります。副次的効果として組織全体にリズムができ、そのためチームのコミュニケーションがよくなり、風通しのよさが職場環境も明るくします。なぜそのような効果が得られるのでしょうか?この知的生産性向上システムは「仕事のデキる人」が実践している方法を体系化して実践するプログラムだからです。

 部下の仕事の仕方をどのようにして改善・変革していくのかということは、ホワイトカラー職種に携わる経営者や中間管理職の方々にとっては非常に悩ましい命題だと思います。今回ご紹介するこの「知的生産性向上システム」は組織全体の効率化を促進させる機能が整っているので、チームや課・部全体でこのシステムの効能が実感できることでしょう。

そもそも『生産性を上げる』ってどういうこと?

生産性向上にはアウトプットの上昇あるいはインプットの減少が必要です。

働き方改革への対応が直近の課題となってきた昨今、“生産性向上”というフレーズを最近よく色んなところで耳にすることが増えてきていると思います。

そもそも“生産性が上がる”というのは、どういった状態のことをいうのでしょうか?

わかりやすく表現するのであれば、以下の数式がぴったり来るのではないでしょうか。

 

 生産性 = アウトプット ÷ インプット

     *アウトプット:成果(例:売り上げ、訪問件数、契約数、企画立案件数などなど)

     *インプット:スタッフの人数(リソースの数)×(残業含む)労働時間

 

 つまり上記数式において生産性を高めようと思えば、

   1.アウトプット(Up↑)÷ インプット(現状維持)⇒生産性Up(↑)

     インプット(人数×労働時間)が現状のままでも成果がアップすれば生産性向上実現!!

   2.アウトプット(現状維持)÷ インプット(Down↓)生産性Up(↑)

     インプット(人数×労働時間)が減少しても同じ成果が維持できれば生産性向上実現!!

   3.アウトップ(Up↑)÷インプット(Down↓)生産性Up(↑↑)

     インプットが減少しても、成果がアップすれば、これはもう究極の生産性向上です!

 

 当事務所で提供する「知的生産性向上システム」は上記1-3に示す生産性向上スキームのいずれかを実現するように設計されたプログラムになります。つまり、①チーム内の全スタッフの延べ労働時間を現状維持したままで、成果を上向かせるのか、②(残業時間を含んだ)延べ労働時間を削減させてもなお、現状の成果を維持させるのか、あるいはベストケースでは③その両方(成果向上、残業時間削減)を実現することも不可能ではないメソッドです。

「知的生産性向上システム(IIPS)」の導入フロー

知的生産性向上システムの運用は以下の①~③のプロセスで成り立ちます。

 ①タイムマネージメント(効果的な仕事の時間割作り)

 ②業務のブレイクダウン(仕事のこなし方の設計)

 ③組織内での共有

 以上3つの視点からまず個人のタイムマネージメントを改善し、次に個々の改善が組織全体に効果的に浸透するシステムを構築していき、生産性向上を実現していきます。

 それぞれの視点について解説していきます。

 ①タイムマネージメント(効果的な仕事の時間割作り)

 このプロセスは“個人のタイムマネージメントの改善”の第一段階になります。この時間割作りのプロセスはさらに“雑用(邪魔)による仕事中断対策”“集中力の切れ目でオン・オフの切り替えができるタイムマネージメント”の2つの工程に細分化されます。

 ・雑用(=邪魔)による仕事の中断対策

 特殊な職種を除き、一般的に私たちは個室で一人で仕事をしているわけではありませんので、途中途中で仕事の中断を余儀なくされる邪魔(インタラプト)が入ってきます。上司からの急な資料作成の要請であったり、新米アシスタントからの業務処理の質問であったり…。またお客様から電話があれば出ないわけにはいかないでしょう。そういった邪魔(インタラプト)が知的職種、ホワイトカラー職種の従業員たちの生産性向上に対する大きな阻害要因となっているのは言うまでもありません。知的生産性向上システムの考え方ではこういった様々なインタラプトが仕事を進める上で不可避なのであれば、あえて邪魔からの防衛のために『雑用を優先的に処理する時間帯を時間割に組み込む』という方法を採ります。こういったことは一見不可能に思いますが、チーム間、組織間のコンセンサス(合意、共有)がうまくいけば、飛躍的に生産性が上がります。

 ・集中力の切れ目でオン・オフ切り替えるタイムマネージメントを設計

 一般的に人間の集中力が持続するのは、最大で2時間と言われます。特に知的作業についてはしっかりと集中力が発揮されて取り組めるかどうかということが成果に非常に影響してきます。よって、知的生産性向上システムではこの『2時間』の時間割の組み込み方を非常に重視しています。

 つまり、集中力を発揮できる2時間ごとに達成感と開放感が得られるようなタイムスケジュール、仕事の仕方の設計をしていきます。全ての知的作業では集中力が散漫となる2時間超えの業務を継続して行わせないようにタイムスケジュールを組むことが、生産性向上のカギとなります。

 以上のように『2時間以内の集中タイム』と『雑用優先の時間帯』を組み合わせることによって、より効率的かり理想的なタイムスケジュールを組んでいきます。

 

 ②業務のブレイクダウン(仕事のこなし方の設計)

 ホワイトカラー職種で生産性の阻害要因となっているもう一つの大きな要因は『(上司等の)仕事の渡し方』『仕事の受け方』の双方、あるいはその一方に問題があるケースです。社内の関係部署や自分の上司から仕事を受けた時にどのように考え、どのように行動に移しているでしょうか?あるいはお客様から仕事を頂いた時、上司としてどのような考えの元に自部署のスタッフたちにどのような指示しているでしょうか?このときの思考や行動の習慣が知的作業の効率の良し悪しを左右する重要なファクターとなります。つまり『仕事の依頼者の真のニーズを掴み、無駄なことを一切しない』という思考パターンを習慣化し、『そのニーズの達成するために必要な作業を細かく具体的に分解する』行動が知的業務の生産性向上に大きく貢献します。

 つまり、依頼者のニーズをしっかり把握した上で無駄な作業を排除した『仕事の受け方の工夫』と仕事を受けた直後に行う『業務のブレイクダウン』が非常に重要であるということです。

 

 しかしながら、ただ闇雲に作業を細かく分解しても意味がありません。知的生産性向上システムでは6つの観点に着目し業務ブレイクダウン(仕事のこなし方の設計)を行うように推奨しています。

 6つの視点:

  ・予め誰かに聞いておくべきこと(Hear)

  ・誰かに伝えておくべきこと(Inform)

  ・誰かに頼んでおかねければならないこと(Request)

  ・自分で作業・実施しておくべきこと(Operate)

  ・調査・検討を要すること(Examine)

  ・予め誰かと交渉すべきこと(Negotiate)

 これらの6つ視点で受諾した業務を分解していけば、部下への指示もスムーズに進み、アシスタント等に仕事を渡す際もムダな工程を経由することなく、組織としての生産性の向上が図れます。ただし、業務のブレイクダウンは仕事を受けた直後に実行しないと時間が経つにつれその効果は薄れていってしまいます。

  つまり、このプロセスでの大事なことは

   ・上手な『業務のブレイクダウン』が知的作業の生産性を高める

   ・『業務のブレイクダウン』は仕事を受けた直後に実施しないと効果が大きく薄れる

   ・上手な『業務のブレイクダウン』のためには、『効率のよい仕事の受け方の工夫』が必要となる

                以上3点がポイントです。

 ③組織内での共有

  ①で立案した各人の『タイムマネージメント=効果的な業務の時間割』と②で解説した仕事の受諾した後の『業務のブレークダウン』の習慣化を組織に浸透させていきます。特に『時間割』については個別に立てたタイムスケジュールが複数乱立してしまうと混乱を引き起こし、かえって部署の生産性を悪化させかねません。しっかりと交通整理をした上で、各個人が知的業務に集中できる環境を創出していきます。

 『効果的な業務の時間割』が組織内でうまく機能している例として、『ブロックタイム』の設置が挙げられるでしょう。『ブロックタイム』とは文字通り、他からの接触を一切遮断し(もちろんお客様からの電話も取り継がない)知的業務にだけ集中できる一定の時間を設けることで、その時間帯の生産性を一気にあげることを狙った仕組みです。『ブロックタイム』は自部署の合意を取り付けるだけで導入できる簡易な仕組みで、かつ生産性は確実に上がります。

 ①で立案した各スタッフの『時間割』を元に『ブロックタイム』を導入すべきか、導入するのであればルールや運用法(時間帯や長さ等)を検討していけばよいでしょう。

  

ホワイトカラー職の生産性向上、残業時間削減のための研修・コンサルティングサービス

効果的な研修でお力沿いさせて頂きます。

当事務所では、ホワイトカラー職の生産性向上や残業時間の削減にお力添えをさせて頂いております。

 こちらでご紹介した『知的生産性向上システム:IIPS』の導入に関しては、当事務所の主力サービスである『残業時間(時間外労働)削減コンサルティング』において対象業務、職種の従業員に対してサポートしていくほか、単体のサービスとしても、対象職種の従業員さんに対する1日コースの研修の開催のほか『部課における効果的なタイムスケジュール』のご提案や『効率よい仕事の受け方』、『上手な業務のブレイクダウン』が習慣化するまでをサポートするスポット対応でのご依頼にも応じさせていただいております。

『1日コース研修』は6時間から7時間くらいの終日のセミナーになり、グループワークを中心に行います。内容は以下を参照下さい。

“ホワイトカラー職の生産性向上研修”の概要

  • ピンボード実習ー“生産性向上”を擬似で体感してみよう!
  • 現状業務の洗い出し
  • 効果的で業務に集中できる時間割作り
  • 上手に仕事を受けるための『業務の簡略化、スリム化』と『優先順位のつけ方』
  • 上手な『業務のブレイクダウン』のやり方が身に付く実習
  • “生産性を阻害する”ストレスとの上手な付き合い方
  • 知的労働を“さらに一歩向上させる”足りない能力の気付きと能力向上計画の策定
  • “研修後必ず実施すること”及び“生産性向上の目標数値の設定”のレポート作成

この研修で『上手で効率的な仕事の受け方』と『上手な業務のブレイクダウン方法』のコツを掴み、後はそれを実務の中でこなしていけば、短期間で習慣化し組織に浸透し、各人が目標に掲げた生産性向上の数値目標達成に向け一丸となれます。

『1日研修コース』の実施のみでの短期間の生産性向上の達成事例も多くございますが、当事務所では『1日研修コース』に習慣化までの中期(3-4ヶ月)をサポートするプラン、長期(9ヶ月~1年間)でこの手法と平行してIE手法での改善策も導入し、生産性向上、残業時間削減を本格的にサポートするプランもございます。

 現状の生産性の状況や月平均の残業時間等、対象部署の従業員数等をヒアリングして、御社にフィットするプランをご提案させていただければと思っております。

 お見積もりは無料ですので、以下のバナーからお見積もり依頼を送付下さい。

 

“生産性向上”に関連したその他のメニューのご紹介

法的時短・管理的時短・IE手法・知的生産性向上システムなど当事務所の全てを結集して労働時間の短縮を図るサービスです。

生産管理工学のIE(Industial Engineering)という科学的手法を用いた労働時間短縮メソッドのご紹介です。

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