人事制度、給与・退職金制度、デキる人材の採用・育成(戦力化)・定着を三位一体でサポート!
大阪人事コンサルティングセンター
運営)児島労務・法務事務所
大阪市住吉区住吉2−5−28
(南海本線・住吉大社駅、南海高野線・住吉東駅から双方とも徒歩7分)
*オンライン(Zoom)の活用で全国対応も可能です。
IE(Industrial engineering)手法とは‥
生産管理工学の考え方に基づいた製造業においての生産性向上の手法です。
確立されたのは製造業においてですが、現在では製造業に限定されず、商業、サービス業、医療福祉等の非製造業でも応用できる使い勝手のよいメソッドです。
その“生産性向上手法”がどのように残業時間の削減に繋がっていくのかということをご説明していきたいと思います。
業務において生産性向上につながる要素は次の2つ(ソフト面、ハード面)になります。
①管理システム(ソフト面)の改善
ある業務を完了させるために、どのような組織で行うのかであるとか、管理のための制度がどのようになっているのか。製造業であれば、材料の納期管理方法、機械の割り当て計画、人員の配置などの業務におけるソフト面を管理システムと定義します。
②物的システム(ハード面)の改善
業務遂行のための物的面から見た要素です。作業方法、業務フローやモノや書類の運搬方法、製造業であれば、生産方式や機械設備等の業務におけるハード面が物的システムです。
上記①②の中で、IE手法を使った生産性の向上、改善の対象になるのは、②物的システム(ハード面)の方になります。
以下の図で上記の説明を簡単にまとめておきます。
法的残業時間短縮(時短)手法とは
労働基準法の法定労働時間(1日8時間、1週40時間)ついての例外規定をうまく活用し、労務賃金(時間外手当)の高騰を合法的に抑える手法
具体的な手法として
・変形労働時間制(1ヶ月単位、1年単位)
・事業場外みなし労働時間制
・裁量労働時間制
・時差出勤(始業終業時刻の繰上げ、繰り下げ)
これらの手法は、法律で導入要件が明確に決まっていたり、特に裁量労働制については対象職種が限定されていることもあり、きちんとした手続きを踏まないと法違反となるリスクがあります。
また、労務賃金(時間外手当)の極端な高騰を抑える手法としては非常によい方法ではありますが、実質的な労働時間が減っているわけではないので、(裁量労働制ではむしろ増えているケースも考えられる)従業員の疲弊の軽減、過重労働対策、業務の効率化向上を目指すのであれば、これだけでは弱いということになります。
管理的残業時間短縮(時短)手法とは
会社や事業所の中で、独自にルールを決め、そのルールに従い、労使双方で自主的に時短(労働時間短縮)に努めようというやり方です。
具体的な手法として
・残業の事前許可制、申告制
・ノー残業デイの設定
この手法の利点としては、ダラダラ残業の抑制には一定の効果があるということです。確かにムダに居残っていたり、明日の業務で間に合う、緊急度がそんなに高くない不必要な残業は減少するでしょう。ただ、本当に多忙で大量の業務量をこなさなければならない職場でこれらの制度を導入しても、かえって従業員達の負担増になる可能性も否定できません。
ノー残業デイで残業できない日を設定されても、業務量が減らない限り、ノー残業デイ以外の日の負担を重くするだけに過ぎません。
上で見る通り、『法的時短手法』『管理的時短手法』も労務人件費の極端な高騰を避けるために不可欠な対策であることは間違いなく、その手法に合う就業形態を敷いている企業、法人等は導入の検討に値するとは思われます。
ただし、実際に業務効率を改善し、実労働時間を減らす対策ではないので、従業員の負荷や疲弊度の減少には繋がりませんし、過重労働対策、つまり、従業員の心身の健康問題へのリスク対策になっているかと言われれば、その面では不充分と言わざるをえません。
そういった意味で、この2つの手法だけでの対策には限界があります。
『法的時短手法』『管理的時短手法』に加え、実労働時間削減のための『生産性向上対策』を講じてこそ、残業時間削減対策が完成します。
当事務所ではその『生産性向上対策』を経営管理学の技法である、『IE手法』という方法を取り入れ、科学的に労働時間の短縮作業を行っていきます。
生産性向上により“実労働時間の削減”が実現するというスキームを設計します。
私達、コンサルタントが企業様、法人様に対して、残業時間(時間外労働)削減を提案した際に、経営者や管理職の皆様によく誤解を受けるのは、
『労働時間を減らせば、仕事の質が低下するのではないか?』
『そんなことをすれば不良品が増える!』
『サービスが低下し、お客様に迷惑がかかる!』
と言ったご意見をたびたび頂戴します。
当事務所が推し進める『残業時間削減コンサルティング』とは、短時間内で仕事を怠慢にやっつけることを推奨しているわけではなく、科学的に業務の生産性向上を図り、その結果として労働時間短縮につなげるスキームです。
このスキームにより、製造業においては、生産高を維持しつつ作業員の労働時間を短縮することが可能となり、商業、サービス業、医療福祉等の非生産業においては、サービスの質や成果を維持しつつ、従業員の労働時間の短縮を行うことが可能となります。
IE手法による労働時間短縮のスキーム
では実際のIE手法を用いた労働時間短縮のスキームについてお話致します。
1.仕事(作業)内容の現状把握(仕事しらべ)
日々の就業時間を過ごす要素を抜き出し、内容、重要度ごとに区分していきます。
残業時間を含めた1日の労働時間の中で、従業員が時間を過ごす要素は以下の数式で成り立ちます。(右図参照)
労働(作業)時間=作業+余裕+非作業
作業:実際に動いて作業している時間
余裕:指導伝達時間、手待ち時間、書類記入等
非作業:作業していない時間
“作業”も重要度ごとに以下の区分定義を意識しながら、抜き出していきます。
主作業:お金になっている作業、またはその部署で成果に直結する作業
例)製造業ー「部品を機械で加工する時間」「機械等を組み立てている時間」
小売業ー「お客様を接客している時間」「お客様に商品をPRしている時間」
飲食店(厨房)-「肉や野菜のカット」「煮炊き」「盛り付け」
飲食店(フロア)-「お客様にサービスを提供している時間」
付随作業:主作業を行うためにどうしても欠かせない「主作業」の前後または途中で行う作業
例)製造業ー「機械への部品の取り付け取り外し作業」「加工途中の寸法検査」
小売業ー「商品の陳列作業」「値札付け作業」
飲食店(厨房)-「食材の準備」
飲食店(フロア)-「テーブル準備、整頓作業」「グラス、食器の準備」
付帯作業:本来の目的を達成するための準備、段取り、後始末、運搬などの作業
例)製造業ー「運搬」「図面のチェック」「検品作業」
小売業ー「仕入れ伝票記入」「仕入れ商品検査」
飲食店ー「食料品の仕入れ」「食料品のチェック」
これら分類された作業の中で、最も優先順位が高いのは“お金になる”「主作業」であり、他の作業は「主作業」を行うための周辺作業であることを認識しなければなりません。
2.作業内容の分類、分析
-『主作業』の定義を明確にし、主作業とその他作業の現状の比率を測定
前述1.の作業で抜き出した仕事内容をさらに精査、分析していきます。まず作業の中の『主作業』つまり、お金になる作業は何なのかの定義を明確に行います。
次に『主作業』以外の作業、つまり付随作業、付帯作業、余裕がどういったものがあり、現状どの程度の時間がこれらに掛かっているかを測定します。
3.その他作業の削減⇒主作業の比率を上げる
主作業外の『その他作業』や『余裕』を削減する方法を検討し、作業改善等を行うことで、その他作業等の業務の効率化を図ります。
そうすると自ずから、『その他作業』等に費やされる時間は短縮しますので、結果的には『主作業』に取り掛かれる時間が多く取れる、つまり作業全体から見ると生産性が向上するということになり、業績や効果を維持しながらの労働時間短縮が可能になるわけです。
以下の図が『生産性向上⇒実労働時間短縮』の手法のメカニズムです。
上記の説明の通り、“IE手法を使った生産性向上”のキモは以下の3点になります
1.業務・作業をカテゴリー区分する
2.付加価値の生み出さない作業に掛ける業務時間を可能な限り縮小する
そして最終的に
3.『価値の生み出す業務』の比率を高める!!
という手順で残業削減、生産性向上の実現を計ります。
IE手法を含めた生産性向上の取り組みにより、残業時間削減を成し遂げた事例を以下に挙げております。ご参考になさって下さい。
実労働時間を経営管理学の技法を用い、短縮するメソッドについてご説明して参りましたがいかがしょうか?
『恒常的に過重労働が続いている』
『職場全体が疲弊している』
『頑張っている従業員から疲弊して辞めていく』
『人件費、特に残業手当の高騰が経営を圧迫している』
等の問題を抱える経営者の皆様には、当事務所が解決策を提示します。
『残業時間(時間外労働)削減コンサルティングサービス』を是非ご検討ください
IE手法を使った残業削減のメソッドについてさらに知りたいとおっしゃる方のために、無料小冊子、
『残業時間の減らし方ー業務改善7つのマイルストーン』
を差し上げております。お申し込みは以下のバナーよりどうぞ。